#96 二冊目の赤い本
 

 暮れも押し迫ってきましたが、今年二冊目の本が書店に並び始めました。
 またもや、にんじんを思わせる赤い表紙。にんじん以外にもいろいろと入っているのです
 が、どうも「にんじん的」なオレンジ色が好きなのです。自分は無彩色のくせに、素材の色
 となると、はっとするような色が好きです。パプリカやかぼちゃも加えた、ぽってりととろ
 りとしたポタージュは、こしょうを挽きかければまるでツイードかシェットランドの毛糸の
 ようです。
 毛糸といえば、この11月に行ったロンドンで、ちょっとしたきっかけから、長年遠ざかっ
 ていた編み物を再開することになり、新鮮な気分になりました。
 作る、という行為は、私の場合料理が中心だけれど、料理以外に本格的に使えるものを作ろ
 うとすると、何でも同じだなあと、つくづく思います。
 同じことはもうひとつあって、かつて友人に「テキトニスト」とあだ名をつけられたほど、
 私の料理のしかたは適当(とは言え褒め言葉)に見えるようなのですが、編み物をしてい
 て、それと同じことに気づきました。何をやっても同じ、ということなのかも。

 本は写真が少なければ、文章で想像が膨らむようにしなければならず、それはけっこう難し
 いことなのですが、今度の本のように料理を文章で語ったり提案したりするものの場合は、
 言葉が味つけのようだと思いながら書いたりします。
 果たして、十分味がついているだろうか。
 一年に二冊も、撮りおろして書き下ろすというのは、今までにないことです。今考えている
 ことはひとつだから、それをたくさんの写真で伝えることと、文章で伝えることの違いだけ
 で、実は大きな一冊なのかもしれない、と思います。写真でわかりやすく説明した本と、言
 葉を連ねたヒント集と。いよいよ寒くなってきたので、この本がヒントになって、冬の間
 中、温かい料理が作れますように。
 赤いスープが表紙の本は、暮しの手帖社から。どうぞ手に取ってみてください。

 
 









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