#70 スープの季節


やっと台風が過ぎたと思ったら、ぱたっと夏が終わって秋が始まったようです。あんなに待
ちわびていたのに、突然の涼しさに慌ててしまいますね。
秋が始まれば、また温かいスープのシーズンです。10月中くらいは、まだ夏の気配も残っ
ていますから、けっこう長い間収穫されるパプリカやししとう、葉ものとお芋を合わせたり
と、ポタージュにしても少し軽めに仕上げて、野菜が形を変えただけ、というような印象に
します。スープに限らず、その傾向は自分の中では強くなっていて、素材と塩、それにほん
の少しのスパイスや調味料というように、料理を単純にして行きたい願望がどんどん膨らん
でいる気がします。と言っても、決してストイックな気分ではありませんけどね。
このグリーンのスープも、極めて単純な作りです。じゃがいも(男爵)を柔らかめに茹でて
木綿豆腐と塩少々、オリーブ油少々を加え、フードプロセッサーにかけたピュレに、ほうれ
んそうを刻んで塩、オリーブ油といっしょに同じく粗いピュレにしたものを合わせて、水を
適宜加えて温めただけのものです。単純といっても、ミキサーやフードプロセッサーにかけ
て形状を変えているのですが(食感や印象や、そして見た目も)、じゃがいもを茹でるのに
ローリエを1枚だけ入れただけ、味つけは塩、油の加減だけです。盛りつけの前に、泡立て
器で空気を含ませているのと、こしょうを多めに挽きかけている、ということをプラスして
います。ほうれんそうは生のまま。何度も煮ないで仕上げると、フレッシュな感じが残りま
す。特にマメではない私でも、料理に限っては、つくている最中のちょっとした加減は、わ
りとよくしています。
厚めにスライスして、こんがり焼いたパンがあれば満足。もし、もうちょっとボリュームが
ほしいという時は、ベーコンを粗く刻んでかりっと焼いて加えたりしても。
野菜をピュレ状にするというと、面倒に感じるかも知れませんが、お鍋の中で潰してわざと
不揃いに仕上げてもいいですし、潰したり刻んだりすることで、料理ががらっと変わります
から、やってみるとちょっとした発見があると思います。これからは、2種類あるスープ皿
を毎日とっかえひっかえ、次の春までそればかり使い続けてしまいそう。

 



copy2016